れいわ新選組で消費税廃止

消費税は、社会保障になんて使われていません

塩生植物(前編)~諫早湾の知られざる事実~

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諫早湾干拓事業のために、1997年に諫早湾が締め切られて出来た調整池の周辺では、淡水化による調整池の水質悪化だけでなく、その他にも、深刻な生態系の破壊が起こっていた。
 
 それは、日本に20種しかない塩生植物の内の9種までが、かつて諫早湾に大群落を形成していたが、締め切りに伴う淡水化や、潮位変化の喪失によって、塩生植物の姿は激減した。
 日本の陸生の種子植物は約5000種といわれるが、塩生植物1種はその存在の重みからすると、通常の陸生植物の100種に相当する。従って、諫早湾の塩生植物9種(アイアシを入れれば10種)は、陸生植物の1000種以上にと相当するとみて良いだろう。

 残念ながら、これら塩生植物の約4割は環境省の絶滅危惧種であり、今では貴重な存在となっている。かつての干潟で見られたありふれた風景は、今や貴重な風景となってしまったのである。
 皮肉なことに、2600億円超かけて生じた干陸地には、現在は、最もありふれた外来植物が大繁殖している。

 ただ、開門して潮位変化のある海水が導入されれば、かつての、貴重な生態系が復活する可能性は高い。完全に破壊される前に、一刻も早い開門を願うのみである。