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立憲デモクラシー講座、石川健治先生(東京大学)の2回目。
9条に今の自衛隊の存在を認める項目を一つ加えるだけ、何も変わりませんよ、という言葉にごまかされそうになります。
しかし、9条を変えて自衛隊を書き込むことは、憲法の立憲主義の側面を変質させます。「外交」ではなく「軍事」の選択肢を権力に正面から認め、「軍事」を例外から原則に転換すること。それが、権力分立と人権保障によって人々の私的自由を守ってきた立憲主義の変質に繋がる、そのことを考えなければならない。石川先生の講義は、さらに熱を帯びます。私たちの私的な領域を確保し、自由を守ってきた立憲主義の思想は、単純な多数決による決定に警鐘を鳴らし、民主主義の暴走を抑えてきました。その背景を抜きに、9条の改正は語れません。
収録は、2018年2月15日