比例はれいわ

20241023 UPLAN 大深度リニア訴訟第2回期日

チャンネル名: 

【リニア大深度地下使用認可取り消し訴訟を支える会】
期日内容
・被告側から訴状に対する反論
・原告側から求釈明に対する回答
リニアトンネル工事で街を壊さないで 〜平穏生活権を侵害する大深度法の違憲性を問う〜
2018年大深度法という法律に基づき、リニア大深度工事の認可が下りました。リニア大深度工事は、住宅地の真下にトンネルを掘ること自体に、地盤沈下等の危険があり、問題があります。この訴訟は、この工事が「大深度法」の認可の要件を満たすか、そもそも大深度法自体が憲法に反するか、この工事に大深度法を適用したことが憲法に反するか、これらの点を争い、大深度法に基づく認可の取消しを求める訴訟です。
はじめに 
もしあなたの家の下に突然、リニア新幹線が通ると言われたら?
直径14mのシールドマシンで地下に巨大なトンネルを掘るという工法によって、振動や低周波音に悩まされ、地盤沈下が発生し、最悪の場合は空洞・陥没の危険があるとしたら。
知らない間に、リニアルート上に住んでいるというだけで、このようなリスクを背負わされていたら。
リニア大深度工事は、地盤にとどまらず、その上に成り立つ人々の生命と、平穏な生活に影響を与えます。
子どもたちと安全に暮らせるか、この地を終の住処とする高齢者はどうしたらいいのか、コミュニティはこれからどうなってしまうのか。国やJR東海からの説明は不十分で、不安はつきません。
私たちは、一度崩れたら元には戻らない平穏な生活を守るために、リニア大深度工事の根拠となっている、大深度法16条による認可の取消しを求め、訴訟を提起しました。
これまでの経緯 
大深度法について
2018年10月17日、国土交通大臣が土地収用法の特措法である「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法第16条」(以下「大深度法」)により「中央新幹線品川・名古屋間建設工事の大深度地下の使用認可」を下ろしました。
リニア中央新幹線は、東京都を起点、大阪市を終点とし超電導磁気浮上方式で走行する計画です。事業化された品川〜名古屋間のうち、全体の86%がトンネル区間で、そのうち都市部の約50kmが地下40m以深の「大深度」を通ることになります。
大深度法によると、大深度地下における開発は、基本的に土地所有者の告知も補償も不要とされています。このような法律により、同意なくリスクを負わされることになりました。
不十分な住民への説明
リニアルート決定が住民に個別に通知されることはなく、今もなお、住民の多くは知らない状態です。沿線の暮らしが脅かされることに気がついた住民が異議を訴え、行政不服審査法に基づき、2019年1月10日、国への審査請求を行なってきました。しかし、5年が経過する2024年5月においても、国は住民の意見を聞く姿勢は見せていません。
説明会は区報への掲載のみで、住民に個別に通知は来ませんでした。また、細かい地域ごとの徒歩圏内ではなく、電車を乗り継いで行く大きな合同会場で説明会を行いました。
そして、会場内での質疑応答は一問一答ではなく、同時に3問までという制限があり、答えはまとめて回答され、再質問もできず、対話ができませんでした。報道関係者は会場から排除され、場内での住民の不安な声はジャーナリストにも国にも届きませんでした。
リニア大深度工事の危険性
リニア大深度工事は、住宅地の真下に巨大トンネルを掘ること自体に問題があります。
都市部の地下におけるトンネル工事では、一般的に「シールドマシン」といわれる鋼製の筒の前面のカッターが回転し、土を削りながら掘り進める「シールド工法」が採用されます。
シールド工法は今まで、地下鉄や下水道においては道路の下を、直径10メートル未満のシールドマシンで削ってきましたが、今回は家の下を直径14mもの巨大なマシンで削る計画です。
2020年10月、今回の事案と同じ大深度法による認可を受けて、同じ工法で行われた東京外環道の工事において、東京都調布市で陥没事故が起きました。地盤の沈下に伴い家屋の基礎が沈下、変形・損傷し、それに伴って軸組構造が変化し、建付や壁面に亀裂が生じたのです。
東京都調布市の工事で起きた被害以外にも、シールド工事による地中管ガス漏れや地下水の噴出、シールドマシンから地下に注入した添加剤による酸欠ガスの噴出、本工事は住民の生命や財産に重大な影響を与える問題が山積しています。しかし、北品川工区においてトンネル直上でトンネル下端までのボーリング調査は全く行われておらず、さらに、その上、被害が出た場合の救済や住宅地の復旧については何ら決まっていないのです。
そんな最中でも、北品川からのトンネル掘進は進められ、2024年6月時点で、既に3回の故障が発生しています。2021年10月に掘進を開始して2022年3月末には300m掘削するとしていた工事は、2024年6月時点で134mしか進んでいません。このような未熟な技術で東京の密集した住宅地の地下を掘削する危険性は計り知れません。
当然ながら各地のトンネル工事も遅れており、2024年5月岐阜県でも井戸・水枯れの被害が表面化し工事が止まりました。
北品川工区でのトラブルだけでなく、相次いで起こる各地の事故により、工事は遅れに遅れています。このままでは、工事が終わるまで何年かかるか分からず、不安な日々が続くことになります。そこで私たちは、公正な審理の場を求めて訴訟へと立ち上がりました。
裁判の争点 
この裁判でポイントになるのは、以下の3つです。
1. リニア大深度工事が「大深度法」の認可の要件を満たすか
2. そもそも大深度法自体が憲法に反するか(法令違憲)
3. リニア大深度工事に大深度法を適用したことが憲法に反するか(適用違憲)