【原子力市民委員会】
東京電力福島第一原発事故から7年半。事故炉から原発の敷地外に放出された放射性物質は県境を越え、広範囲を汚染し、大量の放射性廃棄物や除染土を生み出しました。それらは今どのように「管理」されているのでしょうか。
現在、環境省は除染土を「再利用」するための実証事業を福島県で、また、「埋め立て処分」するための実証事業を栃木県と茨城県で行っています。この実証事業をもとに施行規則が策定されれば、これらの汚染された土壌は全国各地の公共事業や農地造成で使用され、最終処分として埋め立てられるかもしれません。本来、核廃棄物の管理の原則は、拡散させずに集中管理を行うことですが、なぜこのような放射性物質の「拡散・ばらまき」につながりかねない政策が進められているのでしょうか。
今回の委員会では、『あなたの隣の放射能汚染ゴミ』の著者であるジャーナリストのまさのあつこさんをゲストにお迎えし、放射性廃棄物や除染土再利用等の現状をお聞きした上で、この問題が核廃棄物問題全体の中でどのような意味を持ち、私たちの社会に何をもたらすのか、この問題に対する原子力市民委員会の今後の対応について、従来の核廃棄物行政との比較をふまえて議論を行います。
プログラム(予定):
(1)核廃棄物問題に関するこれまでの提言と新たな課題の整理/茅野恒秀(信州大学人文学部准教授、原子力市民委員会 核廃棄物部会コーディネータ)
(2)福島原発事故廃棄物・除染土再利用の現状/まさのあつこさん(ジャーナリスト)/満田夏花(国際環境NGO FoE Japan事務局長、原子力市民委員会 座長代理)
(3)従来からの核廃棄物の取り扱いと現状の比較/伴英幸(原子力資料情報室共同代表、原子力市民委員会 核廃棄物部会部会長)
(4)全体ディスカッション
(5)委員会の今後の予定など