データを分析する経済学者兪炳匡( 神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センター教授)の日本再生プランシリーズ第4回。30年間賃金が下がり続け、病気になったり失業したら、すぐにでも最貧困に転落する貯蓄ゼロ世帯が3割超。国際競争力も企業ランキングも一直線に下降する日本。第3回までため息の出る現実を確認し、99%の暮らしを豊かにできなかった30年の悪の神話「官から民へ」「不採算部門の民営化」政策の誤りを解明します。日本は公務員が圧倒的に少ない先進国です。地域の富を地域で回すには、公的部門への投資が一番。地域の富を地域で、国内の富を国内で循環させ拡大していく戦略を考えなければ、再生は難しい。私たちがまともな職と給料を確保するため必要なのは、少しの知識と発想の転換です。
聞き手は、山岡淳一郎
【兪 炳匡さんのご経歴】
兪 炳匡(ゆう へいきょう)
医師、神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センター教授
1967年大阪府生まれ。93年北海道大学医学部卒業。93年~95年国立大阪病院で臨床研修。
97年ハーバード大学修士課程修了。(医療政策・管理学)。2002年ジョンズ・ホプキンス大学博士課程修了(PhD・医療経済学)。スタンフォード大学医療政策センター研究員、米国疾病・管理予防センター(CDC)エコノミスト、カリフォルニア大学デービス校准教授などを経て2020年より現職。著書に『日本再生のための「プランB」 医療経済学による所得倍増計画』、『「改革」のための医療経済学』など。
収録は2021年10月23日