パラリンピック学校観戦を強行する杉並区 区長、教育長に区民が直接要請
8月23日、パラリンピック学校観戦の中止を区民が直接区長、教育長に要請する取り組みが杉並区役所前で行われた。明日24日から開会されようとするパラリンピック。無観客が決まったのにも関わらず文科省、東京都は希望する保護者へのパラリンピック学校観戦の姿勢を変えていない。東京都は、8月18日の東京都教育委員会で出席した教育委員4名全員が学校観戦反対の意見を述べたにも関わらずである。
しかし参加を表明している都内の自治体は8つ(62区市町村中)にとどまっている(8月18日現在)。そのひとつ杉並区では、教育センター(教育委員会の部署)が作成したパラリンピック観戦希望者を調査するメール文書が校長名で保護者に送られた。7月、杉並区校長会で観戦参加は学校の裁量とすることが決められたにも関わらずだ。
この日区民は2時から1時間杉並区役所前で宣伝を行い、その後区長と教育長に要請に向かった。最初は区長、教育長とも要請文を受け取ることですませようとしたが、要請行動参加者は「明日からパラリンピックが始まる。区長、教育長に直接声を届けることができずには帰れない」と迫り、直接交渉を実現した。
そこで白石高士教育長は、「希望する児童生徒全員をパラリンピック観戦に参加させる」と明言した。当初は各区300人の参加であったのが、他の自治体が観戦を取りやめたためチケットがあまったことが理由だ。この結果杉並区は2400人の児童生徒を観戦に参加させるというのだ。当初の計画の8倍である。この計画を今週の28日(土)、29日(日)の2日間で実行に移すという。となれば、引率者に現場教職員が駆り出されることも考えられる。夏休み中の学校現場は、今大混乱である。すべてのパラ学校観戦を中止させることが、緊急に求められている。(湯本雅典)