【新ちょぼゼミ】
昨年末、菅政権は2050年の脱炭素社会実現に向けた「グリーン成長戦略」を発表し、その実行計画で14の重点分野を設けました。電源構成を再生エネ50~60%目標とし、風力発電やアンモニア利用発電の大幅拡大に加え、住宅やビル屋根での太陽光発電パネルの大量導入などを計画し、また、電力以外の分野でも、自動車の脱ガソリン化や製鉄における水素活用など、今後の技術革新と設備投資に大きく期待する内容です。
政府は「50年カーボン実質ゼロは成長の制約ではなく戦略だ」とし、経済の好循環を生み出したいとしています。しかし他方では、全産業にわたり水素活用が強調され、その水素の大量生産は実は新型原子炉に依存した形で展開されそうであるとか、現在ある旧型原子炉を選択的に温存しながら、新たに小型炉(SMR)や高温ガス炉(HTTR)などの新型原子炉を開発して、引き続き原発依存を続けていく方針も掲げています。この菅政権の「グリーン成長戦略」をどう評価すればいいのか、今回は特に
原発と水素に着目しつつ、この問題に詳しい上岡直見さんにご講演をいただきます。
講師:上岡直見(かみおか なおみ)さん
1953年東京都生まれ。環境経済研究所代表。1977年早稲田大学大学院修士課程修了。技術士(化学部門)。1977年~2000年化学プラントの設計・安全性評価に従事。2002年より法政大学非常勤講師(環境政策)。2004年国立市「自転車の似合うまちづくり委員会」委員。2005年国土交通省中国運輸局「環境負荷に配慮した瀬戸内海スローツーリズム創出検討委員会」委員。2005年松本市「松本・四賀直結道路市民意向確認研究会」委員。2007年荒川区「荒川区環境交
通省エネルギー詳細ビジョン策定委員会委員」委員。2006年~2018年交通エコロジー・モビリティ財団「環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会」委員