2018年10月、科学者たちは私たちが経済を化石燃料から脱却させなければ、壊滅的な気候変動に直面するまでに残された時間は12年に満たないと警告しました。 そして、今年、国際気候変動科学者の6次報告では、人間の産業活動の気候変動への影響は確定的なものとなり、2019年後半から1.5度に抑えることが削減目標の世界的スタンダードになっています。
上記の目標を達成するために「私たちはどのように行動すればよいか」そして「どのような社会にすればよいか」
気候変動は、社会的弱者を作り出し、気候災害や食糧危機などは、貧困・格差を拡大させていきます。また、単純に二酸化炭素を減らす社会にすればよいというわけには、いきません。産業のありかたを変化させることで、社会的に不利益を被る人々がでないようにする必要があります。グリーン・ニューディール政策ビジョンは、すべての人に経済的・人種的正義を保証しつつ、気候の大災害を回避するために経済を迅速かつ大幅に変革するというものです。
本書『グリーン・ニューディールを勝ち取れ』では、第一線で活躍する若者の活動家、ジャーナリスト、政策立案者、研究者が、気候変動の大惨事を回避するために変革的なアジェンダが必要な理由と、私たちの運動が勝つためにどのように組織化できるかを説明しています。本書は、社会運動団体のサンライズ・ムーブメントの共同創設者であるヴァルシニ・プラカシュ、グリーン・ニューディール政策の立案者であるリアナ・グン・ライト、ノーベル賞受賞経済学者のジョセフ・スティグリッツ、反グローバリゼーションのジャーナリストであるナオミ・クライン、国際的に有名な環境保護主義者のビル・マッキベンなどがエッセイを執筆しています。不平等や人種差別に立ち向かわなければ気候変動の危機を解決できない理由、政治的に可能なことを再定義し、化石燃料の億万長者の反対を押し切って運動を展開する方法、そしてグリーン・ニューディールによって私たち全員のために公正で繁栄する経済を構築する方法を学びます。
本書の大部分の著者は、アメリカでZ世代・ミレニアル世代とよばれるハイティーンから30代半ばまでの若者世代であることです。