【ゲノム問題検討会議】
2020年10月、日本学術会議が推薦した105名の学者のうち6人が菅義偉首相(当時)により理由を明らかにせず拒否されました。さらに政府は今年の3月7日、現行日本学術会議法を廃止して2026年10月に新たな法人としての「日本学術会議」を設立する「日本学術会議法案」を閣議決定し、国会へ上程しました。
日本学術会議は、戦前の科学が軍事加担したことを反省して科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として1949年設立されました。それ以来、日本の科学・技術の在り方について政府に様々な提言をしてきました。最近も、私たち市民にも直接関わる重要な提言を数多く行っています。2008年には「代理懐胎を中心とする生殖補助医療の課題-社会的合意に向けて」を発し、「生まれる子の福祉を最優先すべき」とし、生命倫理に関する公的研究機関の設置を提言しました。政府はそれを実行していませんが、提言を機に様々な社会の動きが始まっています。2012年には原子力委員会への回答「高レベル放射性廃棄物の処分について」を出し、現在の政府の原発政策の抜本的見直しを提言しました。また2014年には「高校歴史教育のあり方について」を提言し、高校で「歴史総合」を新設することにつながりました。そして2017年に「軍事的安全保障研究に関する声明」を発し、それを受けて多くの大学が防衛装備庁の制度に応募しないと決めました。
このように政府から独立して声明を出すことを疎ましく思い、任命拒否で圧力をかけても屈しないので、こんな学術会議は潰してしまえというのが今回の政府の「法案」です。それは現在の学術会議を解体し、来年秋に新たな法人として日本学術会議を設置するものです。計画作成、運営、会員選考、評価などすべてについて、政権のコントロールを著しく強化するものです。しかも学術にとって必須の公開性の原則も侵されます。さらに現行法では前文にある「平和」という言葉も、新法案では抹消されました。創設以来一貫して軍事研究反対を掲げてきた日本学術会議の息の根を止め、学術全体を軍事研究に動員しようとしてする狙いが透けて見えます。私たちは今、学問の自由と独立を守れるか否かの歴史的分岐点に立っています。
日本学術会議法人化が私たち生活者にどのように関わるのか、これまでの経緯とその狙いを軍学共同反対連絡会事務局長小寺隆幸さんにお話しいただきます。また、毎日新聞記者の千葉紀和さんには私たち市民にとっての日本学術会議法人化の問題点などをお話いただきます。
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