【再開新ちょぼゼミ】
福島原発事故後、福島県では「県民健康調査」の結果などから判明した子ども甲状腺ガンが累積で400人を超え、まだまだ増える勢いです。原発事故から14年が経過した今日でも、福島県内をはじめ北関東や南東北の各県では放射線管理区域に匹敵するほどのひどい放射能汚染が一部に依然として見られ、また、事故原発からは今日においても大量の放射能が大気中と海に放出され続けている他、半減期の短い放射性ヨウ素131以外の甲状腺ガンを発症させる可能性のある放射性核種(ヨウ素129、セシウム137、テルルなど:各放射性)の影響も懸念されるなど、子どもたちを含む県民の健康への懸念は増すばかりです。ところがこの「調査」を管理監督する「福島県民健康(管理)調査検討委員会」では、こうした県民の不安をよそに、被ばくの健康影響をアプリオリに否定する非科学的な結論を頑強に押し通し、更には甲状腺検査そのものを縮小・廃止せんとする動きを見せています。今回はこれまでこの調査を一貫して取材・報道し続けてきたOUR PLANET TVの白石草さんに甲状腺検査を中心に「福島県民健康調査」の今、を詳しく伝えていただきます。
講師:
白石草(しらいし はじめ)さん
2001年に非営利のインターネット放送局Our Planet-TVを設立。2005年NPO法人。2012年、日本女性放送者懇談会の「放送ウーマン賞」日本ジャーナリスト会議の「JCJ賞」を受賞。ドキュメンタリー『東電テレビ会議49時間の記録』で2014年、日本科学技術ジャーナリスト会議の「科学ジャーナリスト大賞」を受賞。著書 『ルポ チェルノブイリ28年目の子どもたち ウクライナの取り組みに学ぶ』岩波書店、『3.11後の子どもと健康 保健室と地域に何ができるか』(共著、波ブックレット)