紛争地ジャーナリスト西谷文和が、14年の内戦が終わったシリアの今を報告します。
2011年から国内外に1300万人以上の難民を生み出し、今世紀、世界で最も多くの難民を生んだシリア内戦が終わりました。2024年12月、アサド独裁政権があっという間に崩壊したのです。
シリアは宗教も民族も混在したモザイク国家ですが、内戦では、アサド政権側にイラン、ロシア、反政府側の諸勢力にアメリカ、サウジアラビア、イスラエル、トルコ、西欧各国がついて、それぞれが武器を提供し、勝手にシリア領内で空爆もしていました。
戦場は、シリアの国土全域に広がり、住居を失った国内難民が膨大に生まれただけでなく、トルコやヨーロッパにまで、安全を求める人々が移動しました。その結果、定住した国での摩擦も生じ、いまの欧米の政治の右傾化にも影響を及ぼしています。
アサド政権崩壊後、反アサド派だったイスラム原理主義者の苛烈な統治となるのかと思いきや、これまでのところ原理主義のヌスラ戦線とも決別した集団が穏健な統治を目指しており、国内の避難民、海外の難民も帰還する動きが出ています。
たしかに、徹底した空爆や地上戦でがれきの山となった街も、ナパーム弾やサリンの散布を含む容赦のない弾圧で亡くなった人もその数はしれず、復興を語ることも難しく見えます。それでも、街に戻りがれきの中で生活の再建を始めた人々がおり、子どもたちの歓声も聞こえます。ここに、希望を持つべきなのかもしれません。
敵も味方も武力によって支配を争えば、逃げ惑うのは武器も持たないその土地の人々です。死が傍らにあった2013年の西谷さん自身の取材の映像も交え、平和が戻っても、そのあとには破壊とがれき以外には何も残らない「力による平和」の現実をかみしめ、翻って、私たちは平和のもとに生き続けるために何をしたらよいのかを考えたいと思います。
2025年5月14日 収録
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