20250423 UPLAN 金正則『「在日の金くん」訴訟』～コリアン差別投稿裁判を語る

【たんぽぽ舎の浅野健一が選ぶ講師による「人権とメディア」連続講座】
在日朝鮮人(現在は日本国籍）の金正則さんが、「Ｘ」での差別的な投稿で名誉を傷つけられたとして、高校時代の同窓生の男性に賠償を求めた「在日の金くんヘイト裁判」の判決で、東京地裁は３月18日、投稿が「ヘイトスピーチ」だと認め、請求通り110万円の賠償を男性に命じました。被告は控訴せず、４月９日、一審判決が確定しました。
被告の男性は2021～ 24年自身のⅩで、金さんの名前を挙げて「朝鮮人ってやつは馬鹿だね、救い様がないね」「朝鮮人は明らかに性犯罪が多い」などと15回投稿。判決はこれらの投稿について「原告に嫌悪感を示し、著しく侮辱している」と指摘し、「不当な差別的言動」にあたると判断しました。
身体障がい者(失声)である私も、1月と3月のフジテレビによる記者会見での人工喉頭を使った質問に対し、ＳＮＳで誹謗中傷投稿が続いています。埼玉ではクルド人へのヘイトスピーチが深刻化しています。ネツトで誰もが被害に遭う時代です。金さんから自分の人権を守る闘い方を学びましょう。
金正則さん プロフィール
東京都杉並区在住。1954年10月、宮崎県延岡市土々呂(ととろ)町生まれ、中学２年まで延岡市で育つ。（両親は1935年前後、父10歳、母6歳の時、それぞれの家族で渡日。）高校（福岡県立修猷館高校）までの姓は「林」、卒業後、上京し大学（上智大）で「金」に改姓。広告代理店に就職、その後独立しシンク・ファーム株式会社を設立。マーケティング・ディレクターとして生活者研究と未来予測による新商品開発、新事業戦略開発を行う。2023年日本国籍取得。
講座主宰
浅野健一：
1948年高松市生まれ。1972年に共同通信社入社。1984年『犯罪報道の犯罪』を出版。1994年～2014年同志社大学大学院メデイア学専攻教授。たんぼぼ舎アドバイザー。