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【再開・新ちょぼゼミ】
原発の耐震性の根本問題は、耐震設計に必要な「設計条件すなわち、設計基準地震動の設定ができない」ことである。地震の震源モデルから地震波の伝播モデル、建物や機器の地震応答解析は、一見工学的に十分な答えが出ているように見せかけているが、実際には科学的な仮説の段階であり、工学的にも不確定な条件を安全サイドに評価する仕組みになっていないことを説明する。原発と一般住宅の問題は、前者が「岩盤の上」に立てているが、一般住宅は岩盤の上ではなく柔らかい地盤の上にあるから、両者を直接比較できないという見方が果たして正しいのか、科学の限界の議論も
含めて整理して解説したい。技術の視点で見ると、一般住宅は建物が地震で壊れるかどうかだが、原発は建屋だけではなくプラントの全ての仕組みが機能を維持できるかどうかが課題である。(以上、後藤政志さんより)。今回は元東芝の原子炉格納容器の設計技師の後藤政志さんに「原発の耐震性に関する根本問題」をお話しいただきます。
講師:
後藤政志さん
元東芝、原子炉格納容器設計者、博士(工学)。東芝で原子炉格納容器の設計に従事。柏崎刈羽原発の6号機、浜岡原発の4号機、5号機、女川原発の2号機、3号機の設計に携わる。