【村山談話を継承し発展させる会/日中国交正常化50周年記念・緊急集会実行委員会 】
今から50年前、田中角栄首相(当時)と大平正芳外相(当時)は、自民党内の親台派の抵抗・妨害を押さえ込んで、歴史的な日中国交正常化・台湾断交へと歴史の舵をきった。あれから、今年9月29日で50周年を迎える。
田中角栄氏と大平正芳氏は、中国との戦争準備に突き進む、今日の安倍・菅・岸田政権の、対米追従外交の現状を、草場の陰で、いかなる想いで見ているのだろうか。
言うまでもなく、日本と中国の親善友好関係は実に2000年の歴史を有している。この悠久の歴史を振り返れば、その昔、鑑真和上は大勢の弟子を伴い、盛唐の文化を携えて、日本への渡航を計画し、11年間に5回も失敗を重ね、辛苦のため盲目となっても屈せず、ついに6回目に渡来を成し遂げ、奈良に天平文化を授け、骨を日本に埋めた。長安に骨を埋めた阿倍仲麻呂とともに日中文化交流の偉大な恩人というべきであろう。
もとより日中友好の道も、平坦な道ではなかった。困難な時代を乗り越え、多くの先人たちの命がけの努力の上に、一衣帯水の隣国として、今日の日本と中国の重層的な関係が、創り上げてこられたのだ。
特に、19世紀以降の歴史においては、日清戦争で台湾を割譲させ、その後、中国に侵略するという罪深い歳月が含まれていることを忘れてはならない。日本は侵略戦争に敗れて、「平和国家」に生まれ変わることができた。日本国民は二度と中国国民と戦わないという誓いが新憲法によって礎を置かれたのだ。
日本国憲法は、侵略戦争への反省から「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」と宣言し、また「日中共同声明」は「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」と述べた。
周知のとおり今や日本の多数の企業が中国に進出している。日本の貿易や観光業は中国を最大の相手国にしている。文化芸術や学術研究の領域でも日中間の交流は深く浸透している。
しかるに、安倍・菅・岸田政権は日中関係の歴史的重みを忘れ、バイデン政権の対中国対決戦略にのめり込んでいる。
安倍・菅・岸田政権の反中暴走は、国交正常化を実現した1972年の日中共同声明の精神を踏みにじる意味においても、許されないだろう。
米国の言いなりに、反中国包囲網に突き進むのではなく、今や日本の最大の貿易相手国となった、中国とは一衣帯水の隣国としての、本来の正常な友好関係を、取り戻すべく、私どもは、今年、来たる4月14日の院内集会(添付のチラシ・参照)を皮切りに、9月29日(日中共同声明締結)まで、連続的な集会などを、全力をあげて取り組む考えです。
記念すべき、日中国交正常化50周年に際し、私たちの活動方向と、第一弾の院内集会である、4月14日の院内集会の詳細、9月を目ざしての取り組みなどの説明のため、来たる4月5日(火)14時から、衆議院第二議員会館で、下記の要領で記者会見を、開催いたします。報道各社のご出席をお待ちしております。
出席者
羽場久美子(青山学院大学名誉教授・神奈川大学教授)
纐纈厚(山口大学名誉教授)
木村朗(鹿児島大学名誉教授・ISF独立言論フォーラム編集長)
藤田高景(村山首相談話の会・理事長)
伊藤彰信(日中労働者交流協会会長)