参議院本会議「予算委員長金子原二郎君解任決議案賛成討論」森ゆうこ【動画】2019/06/21

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予算委員長金子原二郎君解任決議案 賛成討論(未定稿)
令和元年6月21日
国民民主党・新緑風会 森ゆうこ

国民民主党・新緑風会の森ゆうこです。私は、会派を代表して、ただいま提案のありました、予算委員長金子原二郎君の解任決議案について、賛成の立場から討論を行います。
はじめに、6月18日午後10時22分頃に発生した、山形県沖を震源とする地震で被害に遭われた方々に対しお見舞いを申し上げます。

平成31年度総予算成立後、塚田一郎元国土交通副大臣が、安倍総理と麻生副大臣の地元を結ぶ道路整備について「私は物分かりがいい。すぐ忖度する」と発言し、桜田義孝五輪担当大臣も、安倍内閣が重要課題に掲げている東日本大震災からの復興以上に、衆議院議員が大事と発言し、いずれも事実上の更迭が行われました。相次ぐ閣僚の更迭を受け、野党各会派は4月12日、「委員の3分の1以上から要求があったときは、委員長は、委員会を開かなければならない」と定めた参議院規則第38条2項に基づき、金子原二郎予算委員長に対して、正式な予算委員会開会要求を提出したのはご承知の通りであります。この開会要求に対して、自民党の与党理事は「委員会には定足数がある。過半数を持つ与党が了解できない以上、委員会は開けない」と述べ、金子予算委員長も「与党が応じなければ、委員会は成立しない」として、委員会の定足数が充たされない見通しを盾に、事実上の拒否を行いました。
予算委員会の所管は、「予算」と定められています。改めて言うまでもなく、予算は全ての国の支出に関わり、予算の執行主体である内閣の問題も当然その所管に含まれます。予算の執行主体である内閣に対して、その執行状況を問い、監視することは議会本来の職責であり、経済問題や外交問題、政治問題など時機に応じた多種多様な問題が取り扱われてきたことは、過去のテーマを振り返っても明らかです。
3月末の予算成立後、予算の執行に深く関わる閣僚の辞任や、発生から9か月以上経っても未だ収束させられていない豚コレラ、辺野古への基地移転と軟弱地盤問題、実質賃金の大幅マイナス、「貿易交渉で大きな進展があった」「7月の選挙後を待つ」という米国トランプ大統領の来日中の発言が大きな波紋を呼んだ日米貿易交渉、米国から105機を購入予定である最新鋭ステルス戦闘機F35Aの墜落、老後資金に2000万円を要するとした金融審議会試算と試算に対する政府の対応、イージスアショアの候補地選定にあたって不適切なデータを使用していた問題、国家戦略ワーキンググループ民間委員による特区ビジネス利権など、多数の問題が発生し、国民の間に不安と不信をもたらしています。特に年金問題は国民生活に密着した課題であり、老後生活のあり方、年金制度のあり方などについて、与野党を超えて議論を交わす必要がある大問題です。

これだけ国民生活に深刻な影響をもたらしかねない問題が山積している以上、予算委員会を開会し、政府から説明を受ける必要があるのは明らかでありますが、なぜか与党は予算委員会の開会に後ろ向きであります。委員長は与党の姿勢を理由に予算委員会の開会を見送りましたが、与党が全ての委員会で過半数を持っている議会構成で、「与党が出席しないから委員会を開かない」という判断が許されるのであれば、「委員の3分の1以上から要求があったときは、委員長は、委員会を開かなければならない」という参議院規則は無意味になります。委員会を代表する委員長自らが、参議院の自治を定めた参議院規則を否定するなどということはあってはならないことであります。議院の自律の否定に他ならないこの委員長の発言に対して、その場で直ちに私が抗議を行いましたが、委員長は覚えておいででしょうか。私は、委員長も不適切であることを理解したからこそ、その場で抗議を受け入れ、発言を撤回されたのだと理解しておりましたが、これは形だけの対応だったのでしょうか。

4月12日に委員会開会要求を提出した後、委員長の求めに応じて、7度にわたって理事懇談会が開催されましたが、与党は見え透いた時間稼ぎを行いました。5月23日の理事懇では「参議院だけでも開けるように、委員長も含めて努力する」、30日は「会期が残り一か月となり日程が見えてくるので、官邸と相談する」、6月5日は「委員長が委員会開会の判断をするための時間が欲しい」、7日は「19日の午前か26日の午前を念頭に協議したい」、12日は「集中審議の開催は無理」と結論の先延ばしを続け、ついに14日の理事懇談会で与党が「一般質疑も受けられない」と事実上のゼロ回答を行いました。金子委員長も「与野党間の合意がないと委員会を開いても混乱する。委員会開催は困難と判断せざるをえない」と結論づけました。これでは、4月12日に不適切であったと自ら認めて、撤回したはずの最初の結論から、何も変わっていないではありませんか。金子委員長は公正中立の立場である以上、圧倒的多数を持つ与党が、数の力で参議院規則を一方的に無効化するような行為を是認してはならないはずです。

総理の出席が確約される集中審議は日程の都合で行えないと与党から通告された後、一般審議に向けて与野党間で引き続き努力するよう委員長から指示がありました。財務大臣と要求大臣のみが出席する一般審議ならば、与党あるいは野党筆頭からあらかじめどの大臣に出席を求めるかという質問があって然るべきですが、残念ながら与党筆頭の石井理事からも野党筆頭の蓮舫理事からも我が会派の足立予算理事に対して、要求大臣に関するお尋ねはありませんでした。前日のうちに、与野党国対委員長会談で自民党の関口国対委員長から立憲民主党の芝国対委員長に対して一般質疑も行わないことを通告してあったので、要求大臣は聞かなかったとのことでした。この経過は、足立理事がその場で質問したことで初めて明らかになった事実であり、各会派に対して正式な報告すらないまま、委員長が委員会を開かないという判断を行ったことも大変遺憾であります。

金子委員長が与野党間の合意を形成するために、心を砕いていらしたことは十分に理解しております。しかし、これだけ多くの政治的課題が山積しているにも関わらず、参議院規則38条に基づく正式な開会要求を事実上無視し、議会の行政監視の機会を奪った金子予算委員長の対応は、予算委員会を代表する委員長として不誠実であったと言わざるをえません。
4月12日の委員会開会要求から本日で70日。参議院予算委員会において、このような露骨な先送りが行われた例は平成以降例がありません。遡れば昭和47年から48年にかけて行われた第71回国会で、予算委員会開会要求を104日間放置し、閉会直前に閉会手続のみの委員会を開いた例がありますが、今回もこのような対応で、「最後に委員会を開いた」などと言い出さないよう祈るばかりです。

以上、予算委員長金子原二郎君解任決議案に賛成する理由を申し上げ、私の討論を終わります。