従来の市民メディアの課題と将来あるべき姿とは?

市民が撮影・配信している沢山の動画は、Youtubeチャンネルなどで沢山配信されているにも関わらず、それが多くの人に認知される事がなくてアクセスが集まっていない現状があります。市民が配信する動画が多くの人に認知されるような時代が到来すれば、マス・メディアと呼ばれる大手メディアを脅かす存在になる事は間違いありません。多種多様な映像に人々が関心を持ってアクセスしやすくなる事は、より民主的な社会を目指す上で大切な事であると言えるでしょう。

市民メディア放送局の行動方針

市民メディア放送局は、ウェブサイトで『実際に取材された動画』を紹介していくのをメインの活動としています。全国の市民が撮影した動画を紹介する事で、新聞・テレビでは報じられない情報を数多く拾い上げて、多彩な映像をニュースとして提供できるからです。ウェブサイト上で管理の手間を極限まで少なくするために、市民メディアの更新をAIフィルタで自動化した上で、新規の市民動画が常に表示されるウェブサイトにしています。

多くの視聴者が見込めそうな時には、独自の取材班スタッフが独自の取材を行います。今まで、SEALDsや三宅洋平などの取材を行ってYoutubeを通じて映像配信を行ってきました。市民メディアとして継続していく為には、いかに視聴者が見たい映像を配信するかという事が重要と考えるので、なるべく視聴者が見たい映像のみを独自で取材する事にしています。

市民が動画を撮影する時代

撮影するカメラが安価になった事によって、誰でも気軽に動画を撮影できるようになりました。この事によって、当事者である市民が撮影した動画をYoutubeなどの動画プラットフォームを通じて自由に配信する事が可能になっています。最近では、スマートフォンなどでも高画質で撮影ができるようになってきました。

2003年頃に流行し始めたブログのビデオ版ではありますが、ブログとビデオの大きな違いは、ビデオの方が圧倒的な情報量で現場の臨場感が伝わりやすいという点です。従来のように市民が一生懸命になって意見や記事を書くのに比べると、動画配信の方が現場の臨場感が伝わりやすいという特徴があります。ほとんどの動画配信者がほとんど編集ナシで長時間の配信を行っています。現場にいた人がブログでいくら状況説明をしたところで、何が起こっているかを知るのは困難ですし、写真1枚で知る事も難しい場合が多いです。そんな時に動画で現場の様子があれば、まるで現場にいたかのような臨場感を得ることができます。誰かの講演会やイベントなどが東京で行われていると、東京以外の地方にいたら来るだけでも大変ですが、講演会の動画を配信してくれる市民がいれば、全国から視聴する事ができる価値は非常に大きいと言えます。

更に従来のブログで配信される情報と言うのは、専門家であれ、市民であれ、『単なるオピニオンリーダー』が多かったように思います。ここで言うオピニオンリーダ-とは、『現場に行ったこともないのに新聞を読み込んだだけで意見をペラペラと偉そうにしゃべってみたり』という事です。従来の市民メディアやブロガーなどは、現場の取材を抜きにして新聞・テレビなどの情報を参考にしながら記事を仕上げる事が多かったのですが、それは評論家のやる仕事でメディアがやる仕事ではありません。また、Youtubeの動画で北海道・帯広から現場を見ないで政治ネタをペラペラしゃべっている若手ユーチューバ―はいますが、それは『政治ネタのバラエティ番組』なので全く市民メディアと呼べません。

市民メディアというものは、あくまで現場で起こっている事を臨場感を持って伝えるという事で、それが最も面倒な事ですが、最も価値がある事であると考えています。何故ならば、市民メディアの役割と言うのは、大手メディアが発信しない情報などを『市民の目線から0次・1次情報として伝えるという事』であり、それは『現場で起こっている事』であったり、『脚色・編集ナシでそのまま伝える事』であったり、『多種多様な情報を伝える事』であるからです。

市民記者が動画を撮影するメリット

市民記者が動画を撮影するメリットは、『当事者しか知り得ないような情報』というものが出てくる可能性が強みになり得るからです。例えば、取材メディアに教えない情報でも、信頼関係のある知り合いの市民メディアにだったら教える、もしくは取材許可を出すというのは良くある事です。また、テレビ局、新聞各社が取材に来ないような現場であったとしても、市民記者がカメラを持ち込む事によって撮影・取材を行って報道を行う事ができます。

市民が情報を取得する方法というのは、従来であれば、新聞・テレビなどが編集したものに限られていました。しかし、市民が撮影した動画が見られるようになる事で、当事者から生の情報を聞き出す事が出来たり、更に世界中のあらゆる現場からの動画配信が可能になるという事が起こってきています。情報を発信するテレビ・新聞各社が選択するのではなくて、市民の側が自由に選択できる時代になっていると言えるでしょう。

フランスの大変に危険なデモ現場での撮影、及び戦場カメラマンの現場撮影などは、知り合いや現地の人であれば比較的安全に撮影できるという場合も沢山あるでしょう。2014年ウクライナ騒乱(Ukrainian Revolution)において、市民が何者か(政府軍とみられる)によって狙撃される様子が市民カメラマンによって撮影されて世界中に衝撃を与えて政権の転覆に繋がりました。外国人ジャーナリストなどは、突然に怒ったウクライナ革命であり、とても危険すぎて入れなかった現場ですが、市民側が撮影して配信した事で世界中が知る事になりました。戦場カメラマンどころか、市民しか撮影できない距離での撮影となっています。

起こっている事を伝える意義

かつて旧日本軍は、小学校・中学校から憧れるようにイメージを形成されて、『早く軍人になりたい』などと言っていました。当時は、主に新聞が情報源となっており、その情報が厳しく統制されていたので、国民は戦場の本当の様子を知る事が出来なかったのです。実際には、戦場で日本兵の身に起こっていた事と言うのは、兵士が食べるものがなくて困っているような状況であり、太平洋戦争で死亡した兵士の60%以上が飢餓によって死亡したとされています。日本国内が『飢餓作戦』によって食糧不足が深刻化していて悲惨な事になっている状況において、戦場の様子が勝利の報しか伝えられることはなかったので、兵士が食べるものがなくて死亡しているなどという情報が流れることはなくて、兵士は食べるものは十分にあると国民が信じていました。

ベトナム戦争においては、記者などに従軍が比較的容易に許されていたのですが、現場に行った記者たちが実際に戦争で作戦がうまくいってない事に気づいて、その様子を報じた事がアメリカの世論に大きく影響を与える事になっていきます。そのメディアの影響もあって、1969年に反戦デモが吹き荒れて、ジョンソン大統領が退任する流れになっていきます。メディアが戦場に行って報じたものは、映画のような格好いい戦争ではなくて、実際に人が負傷したり、米軍が繰り広げる野蛮な行為だったからです。そうした『真実』を知った米国民が戦争に失望して、世論に反戦ムードが高まってベトナム戦争の撤退に繋がりました。

このベトナム戦争の世論形成の失敗を受けて、米軍が情報規制を強化して、2003年のイラク戦争まで従軍カメラマンを認めませんでした。しかも、2003年のイラク戦争においても、従軍カメラマンの撮影できる範囲と言うのは、米軍から指定された限定されたものでした。しかしながら、グローバル化で誰もがカメラを持てる時代になると、相手の市民がカメラを使って野蛮行為を暴くという可能性が出てきました。

ベトナム戦争から始まるメディア委縮

日本のメディアは、当初ベトナム戦争に批判的な報道も行っていたりしました。「ベトナム海兵大隊戦記」という日本テレビの番組は、第一話が放送された時点で内閣官房長官橋本登美三郎が直接日本テレビ社長に電話で抗議、日本テレビは第二部、第三部などの続編の放送を中止に追い込まれています。こうした政府によるメディアに対する圧力・規制というのは、日本全体に『政治を語ってはならないもの』という風潮を蔓延させて、若者の政治離れと投票率の低さを招いている事は間違いないでしょう。それは、政権にとって大変に有利な状況を作り出す結果となりました。

公共のものである電波というものがアメリカ政府の監視下のもとで、日本政府の所有物なってしまって、日本政府が報道の自由を許さないという民主主義とは言えない姿が出来上がってしった訳です。この『メディアによる報道規制』というものは、国民の政治離れを加速させたことは間違いないでしょう。誰かに規制された報道番組というのは、面白みを持ってみることができないからです。日本のテレビがバラエティ番組だらけになってしまって、市民の多くが政治に興味を失って、投票率が下がったという事も理解できます。特にベトナム戦争以降に生まれた世代というものは、テレビ・新聞でジャーナリズムに触れてこれなかった世代であり、この世代が政治に無関心である事も理解できます。

ソーシャルメディアと市民メディアの違い

『市民メディアなどなくても、SNSがあるから十分だ』という意見をインターネット上で見かける事もありますが、SNS(ソーシャルメディア)がインターネット上のニュースに意見を加えたものになっているのに対して、市民メディアは取材をして情報を持ってくる人であるという違いがあります。例えば、三宅洋平の選挙フェスに対して取材の動画を流すのが市民メディアであり、それに対してSNS上で様々な意見・拡散が起こりました。SNSが仲間に対して自分の意見を発信を主な目的としているのに対して、市民メディアというのが現場の事実を不特定多数の人(パブリック)に対して発信するという違いがあります。良質な市民メディアには、当事者が発信する0次情報、記者として発信する1次情報が多く、それを通じてSNSが2次情報、3次情報を発信するという事になります。更にNAVERまとめなどでニュースがまとめらると、4次情報となって、場合によって事実が歪められている場合もあります。

今まで失敗したとされるオーマイニュースジャパンなどは、取材をしないで意見を書くものが多くて、SNSのような使われ方になっていました。また、良く市民メディアとして出されるJANJANの場合には、市民記者が無償で記事を提供するという無償労働の下に市民メディアが成立していましたが、会社を維持する為のコストが膨大で、結局のところ広告費だけでやっていけずにサイトが閉鎖される事になりました。記者が現場に行く事ができない以上は、その現場にいる人に書いて貰う必要がありますが、無償であれば誰も責任を持って書きたがらないという問題もあるでしょう。

Facebookでは、連日のように野党側を支援する人たちが政権に批判的な記事を貼り付けていますが、内輪で同じ意見を持った人の結束を高める事になるかもしれませんが、新しい情報を自分たちで出していかないと、自分たちの影響力を高める事になりません。自分から進んでアクションをしないと、世の中を変えることなど出来ないのです。そういう意味では、市民の動画を撮影し続ける市民カメラマンと市民メディアの価値は、世の中を変える非常に重要な意味を持つものであると考えます。

従来の市民メディアの教訓

従来の市民メディアは、記者に登録が必要であった上に、書いた記事が採用されるかどうかも分からないというハードルの高さがありました。このハードルの高さは、市民記者に大きな負担となることで、市民記者が広がりづらい状況になっていました。現場を見て記事を仕上げるというのは、『現場を記録する』という行為に対するコストが発生しますし、それを記事に仕上げるというコストも発生します。そのコストを回収するには、その記事を多くの人に配信してコストを回収しなければいけませんでした。市民メディアは、一般的にそれを職業とするプロのメディアよりも質が低いとされていてるので、それをカヴァーするために記事を膨大に量産する必要があります。あまり審査しながらノロノロと投稿作業をしていたのでは、閲覧数を伸ばす事すらかなわないでしょう。

従来の市民メディアは、マスメディアと同じで記事を書いて配信する事がほとんどでした。市民記者が記事を書いて配信する問題点は、実際の取材を行っていない場合も多くあり、事実誤認、誤解などが記事になる場合も多い事でした。実際に当事者でないのに書いている記事は、自分の意見表明、感想文などになりがちでした。しかし、映像の市民メディアになると、記事であれば事実確認が難しい事は、映像であれば事実の確認ができるという事が沢山あります。動画を撮影する市民メディアの役割と言えば、撮影する主体を選ぶことにより意見表明を行って、あまり編集を行わずに判断・感想を視聴者に委ねるという事です。多様な市民メディアが存在する事は、視聴者側の判断材料が沢山あって良いという事になります。

市民メディア放送局では、Youtubeの動画を自動的に取得するプログラムによって、市民が動画を配信しているチャンネルを全て自動的に取り込むようにしました。Youtubeのチャンネル保有者が外部公開が認めていれば、動画を取り込むのに許可を必要とせずに取り込めるので手間がかからずに効率的です。また、この動画を取り込むシステムによって、動画の撮影者が閲覧数を伸ばせる可能性が出てきて撮影者にとってもメリットがあります。

従来のジャーナリストの弱さ

従来のジャーナリストの弱さは、テレビ・新聞などいわゆる『マスメディア』を通じてしか情報を発信できなかったという事です。TV・新聞などのメディアが日本政府からの圧力によって政権放送のようになってしまった場合には、政権に批判的なジャーナリストがメディアを追われ、主張する場所が大幅に制限される問題がありました。言い換えれば、ジャーナリストと言えども、テレビ・新聞を通じてしか情報発信を行う事ができない状況だったので、テレビ局・新聞社の意向に沿った形で活動するしかなかったという状況でした。

テレビ局・新聞社を追われた場合には、今までの知名度を保ったり、多くの人に発言を伝える手段が限られてしまっていたのです。古賀茂明さんは、政府に批判的な発言をした事からニュースステーションを降板させられましたが、SEALDsの街頭集会であったり、市民集会などに顔を出して発言されたりしています。従来のジャーナリストの弱さとは、『大手メディアを利用しないと飯が食えない』という所にありました。また、大手メディアが政権に批判的であるという事が政権を批判する立場にあるジャーナリストに飯を食わせてきたと言い換える事も出来るかもしれません。

市民メディアが直面している問題点

市民メディアが動画を配信する上で直面している最大の問題点は、『頑張って撮影してくれたけど誰も見る人がいない』という事です。Youtubeなどに動画をアップロードしただけでは、見る人がとても少ない状況では、『配信していないのとあまり変わりがない』と言えるでしょう。撮影の技術であったり、撮影するカメラが問題ではなくて、撮影してもアクセスが集まらないという事が最大の問題です。市民が撮影した映像をいかに多くの人に見て貰うかという事が課題になります。市民メディア放送局のように市民の動画を集めたサイトがあれば、アクセスを集めるサポートができる可能性があると感じます。

撮影してもアクセスが集まらない理由を考えると、(1)動画自体の中身がつまらないから(2)認知度が低いからという2つの事が言えるでしょう。動画自体の中身に関しては、デモなどを撮影して面白く編集する為には多大な労力とコストが必要になります。デモなどの動画をそのまま配信して面白く見せるのは至難の技であり、デモカメラマンの秋山理央さんは、5分ほどに短く編集して配信していますが、その労力は凄く大きなものになっています。

動画を撮影しても、見てくれる人が誰もいないというのは、市民メディアにとって最大の問題点でもあります。動画を撮影して編集まで加えてYoutubeにアップしてみたけど、アクセス数が100アクセスいかないという事も良くあることです。撮影には、撮影の時間・交通費・機材代などのお金がかかるので、この状況で費用対効果を考えると、市民メディアとして長続きさせるのは、とても難しいと言えるでしょう。単に撮影するだけではなくて、アクセスを少しでも増やす事まで手が回る市民メディアはほとんどありません。

2chなどは掲示板の集合体であり、多くの情報が集まる事でアクセスを集める仕組みになっています。これと同じ事が市民メディアにも言えており、ある程度のボリュームを持たせないと、インターネット上でアクセスを集められないと言えるでしょう。

市民メディアの限界

市民メディアは、記者クラブに加盟する事ができないので、記者クラブが独占して取材している官庁に取材に入る事ができないという限界が存在しています。また、取材に対して許可を取れない事も多く合って、屋内の集会などで個人として『市民メディア』として取材許可を取ろうとしても、取材許可が取れない事も多い現実があります。それほど、市民メディアに対しての市民の期待値は高いものではないという事でもあります。しかし、実際に沖縄・高江の動画が市民メディアによって撮影されて、その動画から多くの人が高江の機動隊による市民に対する弾圧を目にするなど、市民メディアの価値が高まってきています。

市民メディア側には、確かに官庁の取材をやりづらいという限界はありますが、逆に市民側を味方に付けて取材を有利にできるというメリットもあります。例えば、当事者の人たちと仲良くする事によって、当事者の人しか知り得ないような現地の情報を聞き出したりする事が出来るという事です。逆に言えば、当事者しか知り得ないような情報をいかに掘り下げて、深い取材が出来るかと言う事が市民メディアの大きなポイントになるでしょう。どの地域にも、その現地の人しか知らない情報が必ず存在していて、そんな情報というのを引き出すのが市民メディアが得意とするところと言えるでしょう。

市民メディアのチャンス

市民メディアが出来る最大の利点と言えば、『動画を全て配信する』という事です。既存メディアは、ニュースの時間に合わせて、重要なスピーチであるのに、僅か10秒流すだけという限界がありました。インターネット上に流れる市民メディアの動画というのは、そうした制限を受けないので、スピーチ全体を流す事ができます。『三宅洋平の選挙フェス』の動画は、45分という長編の動画にも関わらず、選挙期間中に50万回も再生されました。Youtuberの5分の動画が再生されるよりも、非常に多くの人が三宅洋平の動画閲覧に時間を使ったという事になります。

市民メディアが従来のメディアと違うのは、市民メディアが集団で寄ってたかって配信すれば、実際にかなり大きな力が持てるという事です。例えば、三宅洋平の動画を配信したのは、1つのチャンネルだけではなくて、複数の市民メディアが入れ替わり、立ち代わり三宅洋平の演説に入ったので、マスメディアがほとんど無視する中で、Youtube上で多くの再生数を上げることに成功しました。もちろん、三宅洋平の演説の面白さもあったからなのですが、市民メディアの力が発揮された選挙戦となりました。

今までの市民メディアは、記事が中心になってきたので、信ぴょう性が・・・とか、記事の質が悪いと言われる事もありました。しかし、動画ならどうでしょうか。カメラの発達によって、スマートフォンでもそこそこの動画は撮影できますし、数万円の民生用カメラでテレビの放送に耐えうる動画が撮影できるようになりました。10万円を超えるカメラを買えば、民生用カメラでもテレビの画質と同レベルの4K動画が撮影できる時代になています。更に動画を全て撮影して配信すれば、『そこにあるのが真実』であり、編集の必要がなく全て配信して、あとは見る人が判断するという事もできます。つまり、撮影技術の大衆化によって、市民メディアが撮影メディアとして活躍できるチャンスを得たと言えるでしょう。3万円のカメラと少しの頑張りさえあれば、誰もが当事者を撮影・配信できる時代になっています。

市民メディア放送局のシステム

市民メディア放送局では、あらかじめ自動で取り込むチャンネルを選定して決めているので、そのチャンネルの撮影者が好きなものを撮影したものがそのままトップページに表示されるシステムになっています。市民メディア放送局の『仕事』は、Youtubeから現場の臨場感ある動画を定期的に撮影しているチャンネルをしっかりと選定する事にあります。現状においては、動画チャンネルの選定作業に時間がかかるほどYoutubeに市民が現場の様子を定期的に伝えている動画は多くありません。このような現場の臨場感ある動画を定期的に撮影している市民というのはとても少数派であり、その枠を拡大すればするほど、撮影者が自分の趣味で撮影したものが混ざる問題が出てきます。例えば、あるチャンネルには、市民運動をやっているけど、日常の風景も撮影しているというものがあります。

最初のチャンネル選定段階において、継続的に何らかの市民運動・集会などのトピックを撮影しているチャンネルを選定して取り込むようにしています。それでも趣味で撮影したものが混ざる場合には、そのまま放置すれば、数日で次のページなど見えないところに情報が流れていくので、少しぐらい流れたところで問題になりません。また、どうしても不都合がある動画の場合には、『この動画をトップページに表示しない』をチェックする事で、トップページにのみ表示しない事もできます。場合によって『公開しない』というチェックをすれば、サイト上に表示されなくなります。いちいち細かく監視をして削除してしまうのではなくて、あくまで『見えなくする』というところがポイントです。

市民メディア放送局では、毎日のように数十本ずつ動画・説明を取り込んでいるので、その取り込み数が既に数千本になろうとしています。ウェブサイト上でコンテンツの取得を自動化しておけば、最低限のコストで膨大なコンテンツを用意できるので、長期的に運営できる可能性が高まります。また、コンテンツがどんどん取り込まれて増え続けるので、検索エンジンからのアクセスなども強くなっていく可能性があります。将来的には、1日500本~1000本ペースで取り込むことになるかもしれません。現在は全ての動画を表示していますが、あまりに大量の市民動画が出てくるならば、毎日のように大量の情報からトップページに表示する動画を選ぶ『選定作業』が必要になるのかもしれません。早くそこまで多くの市民の動画が出てきてほしいと願うばかりです。

Yahoo!Japanの成長の原動力になっていたのは、ウェブサイトのカテゴリ化とされています。現在は、カテゴリに分けるだけではなくて、各サイトの最新情報を取得する事で市民メディアのポータル化を目指しているのが市民メディア放送局です。Youtubeの検索エンジンだけでは最新の市民メディアの動向を知る事ができない以上は、ある程度のフィルタリングをしたものを提示するサイトは、それなりの価値を持つでしょう。

市民メディア放送局のカテゴリ分け

通常の新聞社のサイトなどを見ると、『政治』『社会』『経済』『スポーツ』などとカテゴリ分けされています。当初は、政治に関係するものであれば、どのようなものであってもトップページに表示するようにしていました。市民メディアとして考えると、現場の声を届けるような臨場感ある動画こそ『市民メディア』として紹介すべきであり、そこに重点を置くべきという事に気が付いていきます。スタジオで撮影されたものと、市民が路上で撮影されたものが一緒になっているのはおかしいという話になりました。スタジオで著名な方がお話ししたりするのは、テレビ局と同じようなもので、『社会学習・バラエティ』に当たる要素が強いものです。

例えば、音楽にしても、アクセス数が多い大手レーベルの音楽を取り込むのは市民メディアではなさそうだし、屋内で歌うというGooseHouseなどの企画も、市民メディアとして扱う音楽のジャンルではなさそうです。多くの記事・動画を配信しているIWJというのは、株式会社だけど『市民メディア』にカテゴライズされるのかどうかというのも難しい所です。現場を伝えるという事をしているIWJ社は、市民メディアの発展形と考える事ができます。更に『日仏共同テレビ局フランス』のYoutube動画は、かなり市民メディアに近い撮影・配信を行っています。

市民動画の区切り配信

最も頭を悩ませるのは、The Riverさんのように1回の撮影で沢山の区切りを入れて配信する形です。これを全部トップページに表示すると、The Riverさんの動画だらけになってユーザーに不便に感じられるかもしれません。システム上の都合でThe Riverさんの動画を1つだけトップに表示というのも難しいので、取り込んでいながらトップページにはとりあえず全部を非表示にしています。それでどうやってThe Riverさんの動画を市民が見つけるかと言えば、検索エンジンからの流入です。The Riverさんの動画はYoutube上にしかないので、市民メディア放送局がページ化する事によって、検索エンジンで検索されやすくなるはずです。

市民メディア放送局が取り入れている区切り配信は、主に集会・イベントのスピーチを編集せずに流すという手法です。スピーチ動画のコンテンツというのは、編集しなくてもアクセスが集まりやすいコンテンツでもあります。講演者の話す内容の中身が面白ければ共有される可能性が格段に高まるので、スピーチ動画ほど優れたコンテンツはないと考えています。SEALDsの学生がスピーチした動画などは、多くの再生数を集めており、全国的にSEALDsが有名になる原動力になった事は間違いありません。魅力的なスピーチ動画は、現場に足を運んでみたいと思わせるのに十分です。

三宅洋平の選挙フェスが示した市民メディアの重要性

三宅洋平の選挙フェスでは、ボランティアのスタッフが撮影した『三宅洋平の高円寺演説』の動画が選挙期間中だけで50万回を超える再生数を記録しています。47分間にも及ぶ演説動画がこれだけ再生されるというのは、世界的にも大変に珍しい事です。三宅洋平の動画は、この動画以外にも市民によって沢山撮影されていて、どのYoutube動画も再生数が良く伸びて、2016年の参議院選挙で最も目立った人物になりました。この結果として、ほとんどテレビ・新聞で報じられなかったにも関わらず、三宅洋平が東京で25万票を獲得する事になりました。次回の選挙に出馬した場合には、当選する可能性が十分に出てくる得票数となりました。

三宅洋平以外にも動画を活用した選挙は行われていましたが、三宅洋平の動画再生数だけは、他の候補者を圧倒していました。単純に言えば、参議院選挙の期間中には、ほとんど三宅洋平の動画しか再生されなかったと言っても良いでしょう。三宅洋平の演説というのは、それだけ従来の候補者にはないパワーがありました。市民の動画がその演説の様子を臨場感を持って伝えた事により、選挙フェスを知らない人まで『三宅洋平の演説が凄い』とツィッターやフェイスブックなどで大きな話題になりました。そして、この動画のパワーは、集客・集票にも結び付いていった事は間違いないでしょう。まさに、『新しい選挙のスタイル』が始まったと言えます。

このような状況においても、三宅洋平の選挙フェスを配信するテレビ局・新聞社が皆無の状況でした。新聞社・テレビ局は、三宅洋平選挙フェスの動画を『取り損ねてしまった』のでした。その理由は不明ですが、山本太郎が応援する三宅洋平が知名度をあげて当選すると困るからというメディア側の事情があった事は明らかでしょう。簡単に言ってしまえば、市民側の需要があるコンテンツを取り逃してしまったという事です。従来の政治コンテンツというものは、テレビ・新聞社が提示して世論誘導するものでしたが、その構図が完全に崩れていた『事件』であったように思います。

2016年参議院選挙の三宅洋平の選挙フェスは、国政選挙の場において『市民メディア』が力を発揮した最初の選挙であったと言えるでしょう。三宅洋平の選挙フェスには、ほとんど大手メディアが姿を現しませんでしたが、市民メディアが入れ替わり、立ち代わりカメラを持ち込んで動画を撮影してインターネットで流した結果、三宅洋平の選挙フェス動画が大きな話題になりました。

市民メディアは政治だけではない

そもそも市民メディアというものは、政治に限ったことではありません。政治以外の『地域のお祭り:』であったり、飲食店の情報であったり、観光地の情報など、その土地に住む市民しか知り得ない情報というものは、多くの人に役立つはずです。特に市民が動画を積極的に用いることによって、それまで全国的に注目されてこなかった地域を注目させる役割が出てくる可能性があります。今までも、可愛すぎるご当地アイドルとして注目されてきた橋本環奈など、地域から注目される人材が生まれる事もありました。市民メディアの力は、こうした動きを更に活発化させる可能性があります。

路上ライブをやって売り出しているアーティストは沢山いるけど、ちっともYoutubeに上がってこない。路上ライブを繰り返す事も大事ではありますが、路上ライブの様子を配信した方が多くの人に見られる可能性がある事に気が付いてほしいです。全ての路上ライブの動画を撮影してアップロードすれば、それだけで全国にファンが出来るかもしれません。また、MVとかPV撮影ぐらいは、自分たちのお小遣いを使って知り合いに頼めばいいと思います。数万円で撮影・編集をやってくれる人はいると思います。

新聞社・TVなどは、政治以外の話題も豊富に扱っていて、バラエティ番組なども人気があります。従来の市民メディアは、そうした多種・多様な番組編成が欠けていたので、視聴者が限定されていたように思います。社会的に影響力を持つメディアになるには、政治系だけに限定していたのでは、アクセスを集めるのに限界があります。アクセスが集まらないという事は、メディアとして存続していくのが難しいという事でもあります。いかに市民ジャーナリズムを自称しようとも、メディアとして存続する為に社会の注目を集めなければならず、政治以外の分野も展開することで、多くの人の注目を集めて行く事ができるでしょう。

好きな地域の情報を市民から得る時代

今までのメディアのあり方というのは、ローカル版の新聞・テレビ局があって、全国版の新聞・テレビ局があるという構図でした。確かに自分の地域と全国の幅広いニュースに接する事はできますが、別のローカル地方の番組を視聴したりする事が出来ないという欠点がありました。例えば、福島原発の事故で福島県から避難した人は、福島の情報に関心があるにも関わらず、福島の情報に接する事ができないという事態が発生した訳です。そうすると、単身赴任をしていたり、家族だけ避難させたという場合には、家族の情報にあまりに差が出てしまって、共通の話題がなくなるなどの問題も発生していました。

インターネットを通じて市民が地域情報を発信する時代においては、地域の情報を市民が動画で発信して、そこから最新の地域の様子、情報を得ることができます。こうした試みによって、実際に住んでいる人が発信する最新の情報を世界中のどこにいても知る事ができるようになります。

市民メディアが地域活性化に役立つ

市民が民生カメラを使って撮影した動画などが動画サイトにアップロードされるようになってきましたが、地方都市の動画がアップロードされる例は数が少ないです。地方都市などには、魅力的な観光地などがある場合があるのですが、その魅力が十分に伝わっていない為に観光客が足を運ばない場所というのも沢山あります。従来であれば、地方自治体と地元商店街などが外部業者に依頼するなどして動画を撮影・配信したりしていましたが、十分なPR効果が得られた例がほとんどありませんでした。予算をかけて動画を撮影・配信したとしても、インターネット上でほとんど話題にならず、かけた予算分の効果を得ることすら難しいという状況があります。

市民メディアが地域活性化に役立つには、日頃からその地域でビデオカメラを使って撮影・配信している人を見つけて、そういった人の動画を活用させて貰うという方法があるでしょう。地元自治体・観光地の商店街などが市民メディアを上手に活用できれば、今まで以上に観光客を呼び込める起爆剤になる可能性があるでしょう。

新しい提案をしていく市民メディア

辺野古の海を守ろう、高江の自然を守ろうという主張だけでは、それを認知してくれる人というのは、それほど多くありません。自然を大切にしようというのは、多くの人が考えている事ではありますが、そもそも辺野古・高江の知名度をあげようと思っても、もともとローカルなエリアを反対運動だけで知名度を上げるというのは難しい状況があるのです。自然を守る活動をすると同時に、その自然をどのように人間に活用できるかの提案を行っていく必要があるでしょう。

反対運動に参加しに現地に来てもらうのではなくて、観光に来てもらえるようにする事で、間接的に自然を守る運動にも参加して貰うという方法をとって行く事が、多くの人に自然の大切さを知って貰う事に繋がるという事です。 例えば、反対運動の動画だけではなくて、観光地としての豊かな自然をアピールするなどの方法があります。辺野古がある大浦湾では、実際にシュノーケリングなどの観光も行われており、そういった観光事業と自然保護事業を一体化させる事で、多くの人に辺野古・高江の基地問題に関心を持って貰うきっかけにしていく事が求められるでしょう。市民メディアは、反対運動の現場だけを取材するのではなくて、周辺の観光地も取材するなど、取材の多角化を進めていければ、問題を解決していく『提案』に繋がっていく可能性があるでしょう。

ソーシャルを利用した動画拡散

市民メディア放送局は、サイト上だけではなくて、フェイスブックやツィッターの情報配信も行っています。フェイスブックやツィッターなどを利用する事によって、市民メディア放送局の認知度を上げたり、Youtubeやサイトだけでは発信できない情報を発信する事に役立っています。

単にページを自動で大量に生成しただけだと誰も情報発信している事に気が付いてくれないので、ツィッターに更新情報を自動的に流すようにしています。ツィッターに情報を流しておけば、フォロワーが多い・少ないに関わらず、ツィッターで検索した時に出てくるので、『動画の存在』に気が付いて貰えるからです。ツィッター検索を利用する人もある程度の数がいる事を考えると、ツィッターに情報を自動的に流すのは、効果的であると考えます。

参考:メディアはベトナム戦争をどう報道したか(ベトナム戦争の部分で参考にしました)
http://www.geocities.jp/takao_sumii/journalism0709.htm

2016年08月27日 市民メディア放送局 Kawata Takumi著

市民メディア放送局コラム


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